大人と子供
今回はボカコレ2021春にて投稿させていただいた「さよならティーンエイジ」の制作話の
様なものです。投稿が4月24日だったので二ヶ月遅れですね、すんません。
聴いてない人はまず聴いてください。是非お願いします。
この曲は、二十歳になる記念に曲を作ってみようと思ったのがきっかけでした。今までの人生の大半を生きてきた十代の頃の思い出を振り返りながら、またいつかね、と別れを告げるようなバラードです。振り返るとだけあって、夢の中のようなふわふわとした浮遊感のある音作りを心掛けていました。広めの空間にすべくリバーブを重ねて、ほんわかとディレイをいくつか盛り込んで、音がガヤガヤしないくらいの空間を意識しましたね。後はエレピのボイシングを色々と試して、ダマにならない場所を探していきました。エフェクトで空間が広がるのは勿論ですが、音の積み立て方によっても大きく差が生じてくるので。後空間のためにやったことは、何だろうか。ドラムのリズムかな。コロコロとした転がるようなリズムを刻んでます。至る所にゴーストノートで意表を突くようなスネアを入れたので、全体的にのっぺりとしつつも聴き心地は面白いものになったと思います。音作りという音作りはあまりしてないですね。エレピとドラムとベースが主に鳴り続けて、上物はちょくちょく鳴らすスタイルで、そもそもの音数自体が少ないので。メロディとコードに時間をかけた覚えがあります。美しいポップなものを作りたいというのが根底にあったので、とにかくポップに、それでいて何処か懐かしい感覚に陥るような。そんなイメージで作ってましたね。聴いていて懐かしくなる様な曲を聴き込むところからはじめました。数々のジブリ作品の音楽を務めている久石譲さんの「あの夏へ」という楽曲を聴くと、こんなもの記憶の中にあるのだろうかという様な田舎の長閑な風景と、瀟洒な香りが漂ってきて、ひたすらに聴き込みました。何故こんなにも懐かしくなるのだろうか、と。無論コードを引用させてもらえばあの世界観をお借りすることはできるのでしょうが、そうしても劣化版になるほかないのです。4度の音を積み上げ積み上げすると、如何にもジブリの様な響きにはなりますね。その結果コードには懐かしさと切なさと、その輪郭の曖昧さ、色んなものをぼやかしながら生きてきた人生を投影出来たかなと思います。この曲は元はさよならティーンエイジではなく、「曖昧」という曲名にするつもりでした。曖昧なまま生きてきた。これからはどうなのでしょう、と言った意味を込めてですね。ただこれほどに文字通り曖昧な曲名ではきっと埋もれてしまう、膨大な数の分母の中では星屑にしかならないと思い、さよならティーンエイジという可愛らしい名前になりました。Twitterで19最後にツイートしたものから引用ですね。つまりこの曲名は十代の頃の私がつけたものです。なんかいいね。
10代最後の楽曲はナイトメアでした。あと1時間ではたちになります。さよならティーンエイジ。
— 阿亀屋 (@okameyasan) April 2, 2021
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