さまよいびと


濁る雨音が 私を呼んだ

いつまで1人きりで彷徨う

投げ捨てられた ビニール傘を

横目に通り過ぎた


変わらない 街の姿も

いつの日か淀んでしまう

きっと思い出も 濡れたまま

雨は降り続く


ああ 芳しき朝日の香り

五月雨の夜を 紐解いていった

鏡の中 私は見えない

あなたにどうか もう一度だけ